令和5年秋の外国人叙勲: パオロ・カルヴェッティ・ベネチア・カ・フォスカリ大学教授

令和5年11月3日

 2023年11月3日、日本政府は令和5年秋の外国人叙勲受賞者を発表し、この中で当館が管轄する北イタリア地方においては、日伊両国で活躍し、日本・イタリア間の学術交流及び相互理解の促進に寄与した功績により、パオロ・カルヴェッティ・ベネチア・カ・フォスカリ大学教授が旭日中綬章を授与されることとなりました。
 
 カルヴェッティ氏は、長年にわたり、イタリア中極東学院(現イタリア・アフリカ東洋研究所)、ナポリ東洋大学、ベネチア・カ・フォスカリ大学で、イタリアにおける日本語教育の向上及び発展に積極的に取り組んできました。  
 
 ナポリ東洋大学では、国際関係担当として日伊の学生・学者の交流促進を目的に、東京外国語大学や上智大学等との交換協定締結の促進に尽力した他、2002年3月にはアジア研究学科長として自らが立ち上げた国際会議「日本語・日本語教育学会」の第二回目となる会議を主催し、日本語教育に関する知識を深めることに寄与しました。
 
 2011年3月の福島第一原子力発電所事故発生時に来日した経験から、同事故から1か月後にはベネチア・カ・フォスカリ大学の同僚と共に被災者支援組織「日本のためのカ・フォスカリ」を結成、会議を通じて震災後の日本の対応能力を発信するとともに募金活動を実施し、福島災害対策本部への寄付を行いました。2015-2017年には、カ・フォスカリ大学アジア・地中海アフリカ研究学科長として日本の法律及び経済に関する教育の拡充に努め、現代日本の理解促進に貢献しました。
 
 その他、カルヴェッティ氏は、1988年にイタリア日本語教育協会を共同設立した後、事務局長を二度務め、教育法の刷新や教材の充実化を主導するなど、イタリアでの日本語教育の向上に多大な貢献をしました。また、2017年から2021年までは、東京にあるイタリア文化会館館長を務め、2018年12月には「イタリアと日本。地政学の新たな挑戦」に関する会議を主催し、両国間の相互理解の促進に寄与しました。
 
 在ミラノ日本国総領事館は、カルヴェッティ氏のこれまでのご活躍に敬意を表すとともに、今回の受賞を心よりお祝い申し上げます。

 

 
パオロ・カルヴェッティ教授