安全対策

令和4年1月27日
アーカイブ
北イタリア安全対策情報
2025年7月~9月
1 治安情勢

当地では依然としてスリや置き引き等の窃盗事件が多発しており、多くの日本人が被害に遭っています。公共交通機関での被害が目立ち、なかでも地下鉄の階段付近の車両は乗降が集中して混雑しやすく、スリの危険性が高い場所です。ドアが閉まる直前に階段から駆け込んで接触し、犯行後すぐに階段から逃走する手口も確認されていますので、階段から離れた車両を利用し、ドア付近での乗車は避けてください。また、日本人が負傷する事件も複数発生していることから、深夜・早朝の外出を控えるとともに、高級腕時計などの目立つ貴重品の着用を避け、スマートフォン・イヤホンを使用しながら歩かないなど、防犯意識を高めて行動してください。


2 日本人被害(件数は当館に届け出のあったもののみを計上)
  以下は、日本人の犯罪被害の事例をまとめたものです。

(1)スリ 15件(4月~6月:12件)
被害例:階段でスーツケースを運ぶのを手伝うと声を掛けてきた男がいたため、手を離さず一緒に運んだものの、その後、別のバッグの口が開けられ、パスポートが盗まれていることに気付いた(ベネチア)。

(2)置引き 20件(同:4件)
被害例:飲食店で、テーブル上にスマートフォンを置いて食事していたところ、男が近づき、イタリア語の書かれた紙をテーブルに広げて早口で話しかけ、そのまま立ち去った後、スマートフォンが盗まれたことに気付いた(ミラノ)。

(3)車上ねらい 2件(同:0件)
被害例:ガソリンスタンドで給油するため車外に出たところ、別の車が近づき、ドアを開けられバッグを盗まれた(ミラノ)。

(4)侵入窃盗 4件(同:0件)
被害例:Airbnbにより手配した宿泊先で、夜間外出中に侵入され、パスポートやパソコンが盗まれた(ミラノ)。

(5)強盗 2件(同:1件)
被害例1:早朝に徒歩で出勤中、後方から近付いてきた男に羽交い絞めにされて顔面を殴られ、倒れた後も蹴られる等の暴行を受けて重傷を負ったうえ、スマートフォンを奪われた(ミラノ)。
被害例2:宿泊ホテル前の路上で、身に着けていた腕時計を男に奪われた(ジェノバ)。

(6)傷害 1件(同:0件)
被害例:早朝にジョギングを終えて徒歩で帰宅中、酒に酔った男2名に因縁をつけられ、顔面を 殴られたうえ、転倒した際に蹴られる等の暴行を受け、軽傷を負った(クレモナ) 。



3 殺人・強盗 ・ 誘拐等凶悪犯罪例

以下は、凶悪犯罪被害の事例(日本人以外の被害者)です。

(1)7月下旬、ノヴァ-ラとトレカーテ間のトレノルド列車内で、20代の女性が他に乗客のいない車両に乗車中、20代の男(逮捕)に襲われ、性的暴行を受けた。

(2)8月下旬の深夜、ミラノ郊外サン・ザノーネ・アル・ランブロ駅付近の路上で、10代の女性が20代の西アフリカ出身の男(逮捕)に茂みに連れ込まれ、殴られたうえ、性的暴行を受けた。

(3)9月中旬の昼前、ミラノ市パオロ・サルピ通り(中華街)の路上で、30代の中国人男性が、直前に口論をしていた30代の中国人の男(逮捕)に追跡され、包丁で刺されて重傷を負った。


4 テロ・爆弾事件発生状況

イタリア国内でテロ事件は確認されていないものの、イスラエル・パレスチナ情勢の緊迫化を受け、治安当局は警戒レベルを引き上げ、空港、駅、宗教施設、米軍関連施設などを中心に警備が強化されています。

関連するデモ等も活発化しており、9月22日のミラノのデモでは、一部の参加者が暴徒化して中央駅周辺で衝突が発生し、多数の負傷者や逮捕者が出ました。

また、イスラエル権益やユダヤ人を標的とした事案が各国で発生しており、当地ベネチアでも8月と9月に、ユダヤ教徒の服装をした観光客が北アフリカ系移民グループに襲われて負傷する事案が発生しています。

宗教的な記念日・祭日の前後は、ユダヤ系施設・人物を標的とした攻撃リスクが高まる傾向があるため、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)等の関連施設付近には不用意に近づかないよう十分ご注意ください。

【今後のユダヤ教の主な記念日・祭日】
  • ハヌカー(光の祭り):2025年12月14日頃~12月22日頃
  • ペサハ(過越祭):2026年4月1日頃~4月9日頃
  • シャブオット(七週祭・五旬祭):2026年5月21日頃~23日頃
【今後のイスラム教の主な記念日・祭日】
  • ラマダン(断食月):2026年2月18日頃~3月20日頃
  • イード・アル=アドハー(犠牲祭):2026年5月26日頃

5 対日感情の変化、日本企業の安全に関する諸問題

特になし。